◆書籍紹介◆
薬について(2)
「薬剤師は薬を飲まない あなたの病気が治らない本当の理由」
「薬を使わない薬剤師」として有名な、宇多川久美子さんの著作です。
薬が体内で働く仕組みや、副作用について、とても分かりやすい比喩を使って表現されています。
効くということはとても怖いこと
口から入った薬は、どのようにしてその効果を発揮しているのでしょう?
たとえば、火事になる消防車を呼びますが、消防車は火事になっている家に駆けつけ、火事になっている家にのみ放水をします。当たり前ですよね。火事になっていない家に放水したら、その家を水浸しにするだけでなく、水圧によって壁や窓、屋根を痛めつけてしまうのですから。
火事になっている家にまっしぐらに向かい、その家にだけ放水をする消防車のように、もしも薬が身体の不調になっている箇所にだけピンポイントで作用してくれるのであれば、副作用という言葉はこの世に存在しなかったでしょう。
しかし人間が運転し、人間が操作する消防車と違って、体内に入った薬は誰の指示を受けることもなければ、誰に操作されることもありません。飲み下された薬は、胃で消化され、血液にのって、身体中をまんべんなく巡ります。
行き先も、自分の使命もわかっていない薬は、身体のあちこちで、薬を必要とするところでもしないところでも、同じようにその効力を発揮します。いわば、薬は放水しながら住宅街をぐるぐると回っている消防車と同じようなものなのです。
つまり、私たちが、「薬が効いた」と感じるのは、全身にその薬の作用がまんべんなく行きわたっているということ。飲んだ薬が頭の痛みを止めてくれたのであれば、頭で起きたのと同じ作用が足でも手でも、胃でも腸でも起きているわけです。
消防車に置き換えれば、火事になった家を鎮火させたのと同じ量の水が、同じような勢いで、その周辺の家々に放たれたということです。
ちなみに、患部に働きかける作用を主作用といい、意図した作用以外の作用を副作用といいます。
眠くなる、じんましんが出るなど自覚できる副作用もありますが、自覚がないからといって、まったく副作用が起きていないというわけではありません。主作用と副作用はワンセットであり、「効く」という主作用が起きていれば、身体のどこかで必ず何かしらの副作用も起きているのです。
宇多川久美子(うだがわ くみこ)
一般社団法人国際感食協会代表理事、(有)ユアケー代表取締役、薬剤師・栄養管理士(米AHCN大学)、ハッピー☆ウォーク主宰、NPO法人統合医学健康増進会理事。
1959年千葉県生まれ。明治薬科大学卒業。医療の現場に身を置きながら、薬漬けの治療法に疑問を感じ、「薬を使わない薬剤師」を目指す。
現在は、自らの経験と栄養学・食事療法などの豊富な知識を活かし、感じて食べる「感食」・楽しく歩く「ハッピーウォーク」を中心に、薬に頼らない健康法を多くの人々に伝えている。
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